- もし、苦しみから逃れたいんだったら
- 神様を信じる事ね
- あなたが信じようと信じまいと
- 神様はすぐあなたのそばにいるのよ

- 1947年7月4日。
- アメリカ、ニューメキシコ州の砂漠に、奇妙な航空機が墜落した。
- それが何であったのか、いまだに証明されることのないまま、憶測が事実となり、噂が歴史となっていった。

- 1984年。
- テレビのプロヂューサーであった、ジェイム・シャンデラの自宅に、匿名の人物から茶封筒に入った未現像のフィルムが届けられた。
- そこに写されていたのが、いわゆるMJ-12文書と呼ばれるものである。
- ロズウェル事件当時のCIA長官、ロスコー・H・ヒレンケッターを筆頭する、12人のメンバーが、大統領直属の機関として地球外生命体と密約を結んでいたというのが、その内容であった。
- この文書に書かれたトゥルーマン大統領の署名は、他の文書からそっくりコピーされたものだと認められている。
- MJ-12のメンバーの一人として名指しされていたのが、MIT工学部部長であった、ヴァネヴァー・ブッシュである。

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眼だけの人、耳だけの人がレインと会話する。
「情報というのは、常に双方向に流れるとは限らない。」
「君はこのワイヤードが生まれたときから、ずっとここにいる。」
「ここでは君は自由な存在だ。」
「存在自体が記憶されていれば、それは既に記録なのだから。」

- ヴァネヴァー・ブッシュが1945年に発表した、メメックス(MEMEX)。
- 記憶の拡大構想は、半透明スクリーンに、マイクロフィルム化された情報を映し出すシステムだった。
- 彼が構想したのは、情報の圧縮と迅速なアクセス。
- コンピュータが登場する以前に、ブッシュは原爆実験「マンハッタンプロジェクト」の指揮をすると同時に、
- 現在のマルチメディアの基礎を生み出していたのだった。

サイベリアに来ている玲音をJJが呼び寄せ、玲音が忘れていったという茶封筒を渡す。
身に覚えのない茶封筒からは、NAVIのチップが。

- インディオの麻薬物質と、アイソレーションタンクによる感覚遮断実験によって、人間の無意識を探ろうとしたジョン・C・リリー(John C.Lilly)は、自らの実験中、宇宙的存在者とコミュニケーションネットワークを介して接続していると考えた。
- 彼を導く存在をリリーは、E.C.C.O、地球暗号制御局と呼んだ。
- 後にリリーは、イルカとのコミュニケーションに転身する。
- イルカは超音波により、水中のかなり広範囲なネットワーキングを可能としている生物である。

サイベリアでくつろぐタロウ、ミューミュー、マサユキ。
そこへ玲音が訪れ、タロウに話しかける。
「前に約束したよね。デートするって。」
「俺がデートしたかったのは、今のあんたじゃないんだよ。玲音。」
「一緒なの。私は私。一人しかいない。」
玲音の何かの変化に、驚く3人。

玲音の部屋に来たタロウは、玲音のシステムに驚きはしゃぐ。
玲音はタロウを座らせ、茶封筒に入っていたチップを見せる。
「これが、何だか知ってるでしょ」
「タロウ君だよね」
「ナイツなんだよね」
「ワイヤードの中に、私がもう一人いるかどうか、それは私には分からない。」
「でも、このリアルワールドに、私がもう一人いるなんてことは絶対にない。」
「肉体をもつもう一人が姿を見せたのはあのクラブだけ。」
「あそこにいた人の記憶だけを操作すればいいんだよね。」
Play Track 44

居間では玲音の父、岩倉 康男(いわくら やすお)と母、岩倉 美穂(いわくら みほ)が抱き合う。
「もうそろろそ、終わりですね。とうとう」
「だから、今のうち」
玲音の姉、岩倉 美香(いわくら みか)は何かをつぶやきながら、手で受話器を作り、何かと交信する。
- ピーピーピー
- 了解
- ピーピーピー
- ただいま、交信中
- ピーピー
- ガー
- ピーピー
- ガー

タロウに迫るレイン。
「このチップをインストールしたら、私はどうなるところだったの?」
「自殺?それとも正気を失うの?」
「これは、不揮発性メモリーだよ。」
「すでにある記憶を、上書きする。」
「ナイツはただのクラッカーじゃ無いんだぜ、レイン。」
「ナイツはたった一つだけしかない真実を、事実とする為に戦う、行使者なんだ。」
「真実は真実だからこそ強いんだ。」
「真実だからこそ、それは正義なんだ。」
「説得力あるだろ?」
「そんな真実、欲しいと思わない?」

- ヴァネヴァー・ブッシュ、そしてジョン・C・リリーという二人の異端の先駆者に学んだテッド・バネルソンは、軌道上に静止衛星の巨大な電子図書館を打ち上げ、電波と、電話回線によって地球上のどこからでも、どんな端末でも、それが利用できるデータベースを作る構想。
- ザナドゥー(Xanadu)を発表する。
- 一切の文字文化が永遠に無くなる事がないと言われる猛虎の理想郷。
- それがザナドゥー(Xanadu)である。
- それを、この世界に具現化しうる思想こそハイパーテキストである。
- テッド・バネルソンは、その考案者として歴史に名を残すだろう。

Hello NAVI
- カチカチ
- カチカチ
- メモリーチェック
- カチカチ
- カチカチ
- カチカチ

黒いスーツの男二人に連れられ家に入る玲音。
そこには父、康男。母、美穂。姉、美香が立っている。
玲音は2階の部屋へ案内される。
「それが、私?」
「そう。これがあたし。」
「じゃーあの人達は?誰?」
「私はあなたなんだから、知らない。」

- 地球には地球自らがもつ固有の電磁波が存在する。
- 電離層と地表との間で、ELF帯に8hzの周波数で、常に共鳴が起こっている。
- これを、シューマン共鳴と呼ぶ。
- この地球が常に放っている、いわば地球の脳波は、人類にどれだけの影響を及ぼしているのか未だにわかってはいない。
- 地球の人口は、やがて脳内のニューロンと同じ数に達する。
- ダグラス・ダシコフは地球上の人間同士が、ネットワークで相互接続する事により地球自身の意識をも覚醒させうると主張している。
- 確かにネットワークはニューロティックに進化を遂げており、人の脳内のシナプスに繋がれたそれと同じく、地球そのものがニューラルネットワークと化していると言える。

空を見上げる玲音。
「たった一つの、真実。神様。」

- 橘総研の主任研究員だった英利 政美(えいり まさみ)は、地球を覆うニューラルネットワーク仮説を更に進化させ、地球上の人間は全て、デバイスすらも必要なく、ワイヤレスネットワーク上に無意識化に配置されるという仮説を発表した。
- 更に彼は第7世代目のワイヤードプロトコルに、シューマン共鳴ファクターを独断により暗号化し、書き加えていた。
- 自体を知った橘総研は英利を解雇。
- その一週間後、英利 政美は山手線上で、溺死体として発見された。

玲音の前に現れる男。





